異汗性湿疹を漢方で治す

異汗性湿疹と発汗量

 

異汗性湿疹は、発汗量の多い人に発生しやすいようですが、アトピー性皮膚炎の人にもよく見られる症状です。また、歯科金属などの金属アレルギーが原因となっていることもあるようです。

 

しかし、最も大きな原因と考えられているのは精神性発汗に関わるものです。人間は汗をかくことによって体温の調整を行なっています。ところが、手のひらや足の裏は、暑さを感じた時にだけ汗をかくわけではなく、緊張したり驚いた時にも汗をかきます。

 

前者のように、体温調整を目的として汗をかくことは温熱性発汗と呼ばれており、後者のように、緊張や驚きなどの精神的な要因によって汗をかくことは、精神性発汗と呼ばれています。

 

この精神性発汗がよく起こる場所が、手のひらや足の裏であり、異汗性湿疹の発症しやすい場所とも一致しています。しかし、単に手のひらや足の裏に汗をかくだけでは、水ぶくれなどの症状が発生することはありません。異汗性湿疹が発症するのは、普段よりも発汗量が多い場合であると考えられます。

 

発汗量が多くなった場合には、汗腺が詰まってしまうことがあり、そのために皮膚の外に出ることができない汗が、皮膚の間に溜まってしまうという現象が起こります。これが、異汗性湿疹の原因となり、その症状として水ぶくれができてしまうのです。暑い夏にかけて異汗性湿疹が発症しやすいのも、発汗量が関係しているからなのです。